2026年、象に別れを告げる時:Evernote代替ツール10選を徹底比較

Evernoteの優位性が薄れつつある今、2026年に注目すべき代替ツール10選をご紹介します。AI搭載のナレッジベースからプライバシー重視のローカルツールまで、あなたのワークフローに最適な一本が見つかります。
正直なところ、Evernote と 10 年以上の付き合いがある「ヘビーユーザー」にとって、このアプリは単なるツールではありません。デジタルの記憶箱そのものです。かつては混沌とした日常を整理する「唯一の救世主」であり、あの象徴的な緑の象のアイコンは、一世代の Dock バーに鎮座していました。
しかし、近年「象」が愛しにくくなっているのは否めません。まず無料版がほぼ「お試し」レベルに縮小され(ノートブック 1 冊・ノート 50 件まで)、サブスクリプション料金は年々上昇。さらに厄介なのは、アプリが肥大化する一方で、同期の競合や動作のもたつきといった古くからの問題が依然として残っていることです。
多くの方がこう思っているのではないでしょうか。「2026 年にもなって、もっとスマートで効率的、しかもコスパの良いクリエイター向けの選択肢はないの?」
答えは、間違いなく「あります」。今日のメモアプリ市場は百花繚乱で、AI 連携、プライバシー保護、さらにはコンテンツの直接収益化に特化したツールまで登場しています。ナレッジベースの引っ越しを検討中の方に、この徹底レビューをお届けします。
一覧表:代替ツール 10 選の比較
| 製品 | 主な特徴 | こんな方におすすめ | 料金 |
|---|---|---|---|
| Buildin | AI ナレッジベース、収益化、コラボレーション | クリエイター、チーム、Notion からの移行者 | 無料 / Pro は月額$10〜 |
| AFFiNE | 文書 ⇔ ホワイトボード切替、マルチモーダル AI | ビジュアル思考派、ブレスト重視のチーム | 無料 / Pro は月額$6.75〜 |
| Anytype | オブジェクト型、端末間暗号化、P2P 同期 | プライバシー重視派、ローカル保存派 | 無料 / Plus $5 / Pro $10 |
| Heptabase | ビジュアルカード、PDF 注釈、マインドマップ | 研究者、学生、深い学習をする方 | 月額$8.99〜 |
| Logseq | 双方向リンクのアウトライナー、プライバシー重視、デイリージャーナル | アウトライナー愛好家、開発者、OSS 派 | 無料(オープンソース) |
| Trello | カンバンボード、Butler 自動化、外部連携 | プロジェクト管理者、タスク中心のチーム | 無料 / Premium は月額$5〜 |
| Bear | 美しいタイポグラフィ、入れ子タグ、Markdown | ミニマリストな Apple ユーザー、ライター | 月額約$2.99 |
| Obsidian | ローカル Markdown、豊富なプラグイン、グラフビュー | パワーユーザー、「第二の脳」構築者 | 個人無料 / 同期は有料 |
| OneNote | 自由配置キャンバス、手書き対応、Office 連携 | 学生、Surface/iPad ユーザー | 無料(OneDrive 容量制限あり) |
| Notion | データベース、オールインワン作業空間、テンプレート | パワーユーザー、複雑な管理が必要な方 | 無料 / Pro は月額$10〜 |
Buildin
Buildinは、個人・チーム・デジタルコンテンツクリエイター向けの総合ナレッジ管理・コラボレーション基盤です。ドキュメント、マインドマップ、データベース、AI を融合し、深いメモ管理とプロジェクト管理をシームレスにつなぐ、デジタル時代の「オールインワン」ソリューションです。

主な特徴:
高効率なナレッジ連携: 柔軟なページ構成、多次元データベース、無限のネスト構造を活用できます。個人のメモ断片から大規模なチーム Wiki まで、高い自由度で構造化できます。
コンテンツの収益化: メモやテンプレート、チュートリアルを有料コンテンツとして直接販売可能。買い切りやサブスクリプションに対応し、プラットフォームを離れることなく、制作から収益化までを完結できます。
AI ナレッジベース: すべてのコンテンツに対して AI が深い検索・要約・生成を支援します。AI が断片的な知見をつなぎ、長年蓄積した情報から核心的な価値を瞬時に引き出せます。
ネイティブ・マインドマップ: 組み込みのマインドマップ機能で、思考の整理や複雑なプロジェクトの分解を視覚的に行えます。
ハイブリッド管理: 「フォルダ型」の従来派にも「タグ型」の現代派にも対応し、直感的なファイル管理を実現します。
企業向け導入: セルフホスティングやプライベートクラウドに対応し、完全なデータ主権とブランドカスタマイズを提供します。
短所:
- 成長途上のエコシステム: 比較的新しいプラットフォームのため、サードパーティ連携のライブラリはまだ拡充中です。
料金: 基本版は無料、Personal Pro は月額$10〜、企業向けは個別見積もり。
AFFiNE
AFFiNEは、次世代の「ナレッジ OS」を標榜するツールです。構造化されたドキュメント、自由なホワイトボード、データベースの境界を曖昧にし、ツールに縛られない思考を実現します。直線的な文章作成でも無限キャンバスでのブレストでも、シームレスに切り替えられるのが核心的な設計思想です。

主な特徴:
文書 ⇔ ホワイトボード切替: 任意のドキュメントをホワイトボードモードに切り替え、即座にビジュアルなブレストが可能です。
ローカルファースト&セルフホスティング: プライバシーを最優先に設計されており、オフライン性能に優れ、セルフホスティングにも対応しています。
マルチモーダル AI: テキスト作成を支援するだけでなく、ホワイトボード上で構造の整理やビジュアルスケッチの生成も AI が手伝います。
ブロックレベルのデータベース: Notion のデータベースの柔軟性と、ホワイトボードの操作性を兼ね備えています。
短所:
- パフォーマンスの課題: マルチメディアを多用した大規模ホワイトボードでは、ブラウザの描画性能が低下することがあります。
料金: 無料、Pro は月額$6.75〜。
Anytype
Anytypeは、データ主権を極限まで追求したツールです。典型的な「ローカルファースト」アーキテクチャを採用し、分散型技術によってデータを中央サーバーではなく端末上に暗号化して保存します。

主な特徴:
オブジェクト型アーキテクチャ: すべてを「オブジェクト」として扱い、複雑なデータモデリングが可能です。
P2P 同期: 中央サーバーを介さず、ローカルネットワーク上で端末間を同期します。
暗号化スペース: 物理的な暗号化により、仕事用と個人用のデータを完全に分離できます。
カスタムダッシュボード: ウィジェットをカスタマイズして、重要なデータをリアルタイムに表示できます。
短所:
コラボレーションの敷居: P2P 同期の仕組み上、リアルタイムのチーム共同作業は従来のクラウドツールより設定が複雑です。
抽象的なロジック: 「オブジェクト-リレーション-タイプ」という概念は一般ユーザーにはやや抽象的で、学習コストがかかります。
料金: 無料、Plus 月額$5、Pro 月額$10。
Heptabase
Heptabaseは、大量の文献を扱う研究者や学生に最適な、ビジュアルファーストのツールです。「ビジュアルカードファイル」という概念で、複雑なアイデア同士の直感的なつながりを構築できます。

主な特徴:
ホワイトボード × カード連携: カードが最小単位となり、複数のホワイトボードにまたがって存在しながら同期を維持します。
PDF 引用: PDF のハイライト箇所をノートに直接リンクでき、リンクをクリックすれば PDF の該当段落に即座に戻れます。
階層型ホワイトボード: ネストされたホワイトボードにより、マクロな全体像からミクロな詳細まで段階的に整理できます。
短所:
モバイル体験の制約: 深いビジュアル思考は小さな画面では難しく、モバイルアプリは現状クイックメモ程度の用途に限られます。
無料プランなし: 試用期間が非常に短く、学生やライトユーザーにとっては導入のハードルが高めです。
料金: サブスクリプションのみ、月額約$8.99(年払い)。
Logseq
Logseqは、デイリーノートを起点としたボトムアップ型の思考に特化したツールです。「つながる思考」を重視し、データの一行一行まで自分で管理したいユーザーのための、オープンソースのプライバシー重視ツールです。

主な特徴:
ブロックプロパティ: ブロックに特定のメタデータを付与し、データベースのようなクエリ検索が可能です。
ホワイトボード連携: アウトライナーの内容をワンクリックでビジュアルなロジック図に変換できます。
クエリ機能: 強力な構文で、ジャーナルやページをまたいでタスクや情報を集約できます。
Git 連携: Git によるバージョン管理で、データを完全にコントロールできます。
短所:
書式の制約: アウトライナーという性質上、長文の執筆や複雑なページレイアウトには不向きです。
同期の複雑さ: iCloud や Dropbox などサードパーティの同期では、ファイル競合のリスクがあります。
料金: 完全無料(オープンソース)。
Trello
ワークフローが「ステータス」と「進行状況」で定義される方にとって、Trelloのカンバンモデルは今なお定番の選択肢です。視覚的なアプローチで、混沌とした情報を整然としたフローに変換します。

主な特徴:
カンバン型コラボレーション: カードをメモとして活用し、添付ファイル、ディスカッション、期限を一元管理できます。
Butler 自動化: ルールベースのトリガーで、繰り返しの管理作業を自動化できます。
連携エコシステム: Slack や GitHub など、豊富な外部サービスと接続できるマーケットプレイスがあります。
短所:
深さの不足: 長文のナレッジ蓄積には不向きです。ノートが長くなるとエディタが窮屈に感じます。
視覚的な過負荷: カードが数百枚に及ぶ大規模プロジェクトでは、一覧性が低下し検索も困難になります。
料金: 無料、Premium は月額$5〜。
Bear
Bearは、美しさと集中力を追求したアプリです。Markdown を即座にレンダリングする、気が散らない美しい執筆環境を求める Apple ユーザーにとって最高の選択肢です。

主な特徴:
美しいタイポグラフィ: 独自エンジンが Markdown をリアルタイムで美しいスタイルに描画します。
入れ子タグシステム: フォルダの代わりに、柔軟な多階層タグで整理できます。
高品質なエクスポート: 多彩なテーマに対応し、ePub、JPG、PDF などへの書き出しが可能です。
深いシステム統合: Handoff や iOS ウィジェットとの連携に優れています。
短所:
エコシステムの閉鎖性: Apple 専用で、Windows や Android には非対応。リアルタイムのチーム共同作業もできません。
単機能: 現代の生産性ツールに多いデータベース、カンバン、ホワイトボードといった機能がありません。
料金: 月額約$2.99。
Obsidian
Obsidianは「個人ナレッジベース」の王者です。ローカルの Markdown ファイルとして保存し、膨大なプラグインライブラリによって、シンプルな日記から複雑な研究システムまで自在に構築できます。

主な特徴:
ローカルファーストの Markdown: ファイルは永久に自分のもの。サーバーに依存しません。
Dataview プラグイン: SQL ライクなクエリで、ノートを動的なテーブルやリストに変換できます。
キャンバスモード: Markdown ノートをノードとして並べるビジュアルホワイトボードで、思考を広げられます。
YAML メタデータ: フロントマターに対応し、高度に自動化された分類・索引付けが可能です。
短所:
カスタマイズの沼: プラグインや CSS の設定に時間を取られ、肝心のメモ作成が後回しになりがちです。
コラボレーションの制約: チーム向けのリアルタイム共同作業プラットフォームとしては設計されていません。
料金: 個人利用は無料、公式同期は月額約$4。
OneNote
Microsoft 365 の世界に身を置いているなら、OneNoteが最も安定感のある選択肢です。「デジタルリングバインダー」のような使い心地で、手書き・テキスト入力・Office 文書を自在に混在させられます。

主な特徴:
自由配置キャンバス: ページ上のどこにでも入力でき、音声やインクなどのメディアも混在可能です。
OCR&手書き認識: 画像や手書きメモに対する優れた光学文字認識機能を備えています。
イマーシブリーダー: 読み上げや文法分解に対応した、集中モード専用の閲覧機能です。
Web クリッパー: 元の Web ページのレイアウトを忠実に保存する、業界屈指のクリッピング機能です。
短所:
固定的な階層構造: 「セクション-ページ」というロジックは、双方向リンクやアトミックノートが主流の現代では古さを感じます。
エクスポートの制約: OneNote から Markdown ツールへのデータ移行は、難しいことで有名です。
料金: 無料(OneDrive 容量制限あり)、または Microsoft 365 に含まれます。
Notion
「オールインワン」作業空間の先駆者であるNotionは、コラボレーションの業界標準です。強力なデータベースエンジンを核に、生活やビジネスのための小さな OS として機能します。

主な特徴:
データベース 2.0: 強力な数式とフィルターで、家計管理からロードマップまであらゆるものを管理できます。
Notion AI 自動入力: ページの内容に基づいて、要約や構造化データを自動生成します。
Wiki 機能: ステータス管理やアーカイブ機能を備えた、社内ハンドブック専用の管理機能です。
グローバルテンプレート市場: あらゆるシーンに対応する、すぐに使えるワークフローの膨大なライブラリがあります。
短所:
- オフライン機能の制約: データベースが大きくなるとパフォーマンスが低下しやすく、オフラインアクセスも限定的です。
料金: 個人は無料、Pro は月額$10〜。
まとめ:どれを選ぶべきか?
構造化されたコラボレーションと収益化を求めるなら: 高度なページ構造とチーム連携を重視するなら、BuildinかNotionが最適です。ナレッジの収益化を目指すクリエイターにはBuildinが明確な強みを持ち、チームのプロジェクト管理にはNotionが定番です。
ビジュアル思考や学術的なモデリングには: ビジュアル派の方には、文書とホワイトボードを融合したAFFiNEや、厳密なカードファイルシステムで研究を支えるHeptabaseがおすすめです。
高度な学習と長期記憶には: 間隔反復学習(SRS)を内蔵したRemNoteや、究極の柔軟なデータ構造を求める上級者向けのTanaをおすすめします。
プライバシーと PKM(個人ナレッジ管理)を重視するなら: Obsidian(ローカル Markdown)やAnytype(端末間暗号化&P2P)が、最も安全でギーク向けの体験を提供します。
純粋な執筆と美しさを求めるなら: ミニマルな美しさを追求する Apple ユーザーにはBearを、Microsoft のヘビーユーザーにはシームレスな統合が魅力のOneNoteをおすすめします。
「最高の」ツールは存在しません。あるのは、今のワークフローに合ったツールだけです。このガイドが、2026 年に「象」に別れを告げ、より効率的なデジタルライフを始めるきっかけになれば幸いです。
Amara Elara
複雑なプロセスの可視化と製品教育の向上を専門とする。Buildinではユーザーサポート、製品チュートリアル、ビジュアルガイドを担当し、ユーザーのツール活用と生産性向上をサポートしている。


